家庭用Wi-Fiルーターとして高い人気を誇るTP-Link製品。リーズナブルな価格と豊富なラインナップで、多くのユーザーに選ばれています。しかし、インターネット上では「TP-Linkは危険」「使用は避けたほうがいい」という声も散見されます。
この記事では、TP-Linkの概要を紹介するとともに、なぜ「おすすめしない」と言われるのか、その理由を分かりやすく解説していきます。
TP-Linkとはどんなメーカー?
TP-Linkは中国・深圳に本社を置く通信機器メーカーで、1996年に設立されました。家庭用ルーターや中継器、ネットワークカメラ、スマートホーム機器などを幅広く展開しており、日本でも家電量販店やAmazonなどで購入することができます。
特に低価格帯のWi-Fiルーターで知られており、コストパフォーマンスの良さから選ばれることが多いブランドです。
TP-Link製ルーターの危険性とは?
TP-Linkのルーターに対して「危険」と言われる背景には、主に以下のような懸念があります。
中国企業による情報漏洩リスク
TP-Linkは中国企業であるため、「国家情報法」の影響を受ける可能性があると指摘されています。中国の法律では、国内企業に対して国家の要請があれば情報提供を求めることが可能です。そのため、TP-Link製品を通じて何らかの情報が外部に送信されるのではないかと懸念する声があります。
もちろん、TP-Linkはこれらの疑惑を否定しており、日本法人も正規に事業を展開していますが、不安を完全に払拭することはできていません。
ファームウェアの更新体制に不安
TP-Linkは一部の製品において、セキュリティアップデートやファームウェア更新が遅れる、もしくは打ち切られることがあります。こうした製品は、時間の経過とともにセキュリティホールが放置され、サイバー攻撃の対象になるリスクが高まります。
例えば、古い機種ではWPA3などの新しい暗号化規格に対応していなかったり、DNSハイジャックやリモートアクセスの脆弱性が報告されることもありました。
デフォルト設定のまま使用されやすい
TP-Linkのルーターは、初期設定が簡素でユーザーにとって使いやすい反面、セキュリティ対策を怠りがちになるという側面もあります。
例えば、
- 管理画面のパスワードが初期のまま
- 不要なリモートアクセス機能が有効になっている
- WPA2-PSKなど古い暗号方式が使われている
といった状態で使い続けると、外部からの不正アクセスを受けるリスクが高まります。
一部ISPとの相性問題
日本の一部インターネットプロバイダー(ISP)では、TP-Link製ルーターとの相性問題が報告されています。IPv6通信がうまくいかなかったり、PPPoEの設定がうまく反映されないといったトラブルに遭遇するケースもあります。
初心者の方がTP-Link製ルーターを導入した場合、ネットワークが不安定になるなどのトラブルに対処しきれない可能性もあるため、注意が必要です。
実際にあったトラブル・報告例
TP-Linkに関しては、過去に以下のような報告もありました。
- 2021年:セキュリティ研究者が、TP-Linkのルーター複数機種に脆弱性を発見。悪用されると遠隔から設定を書き換えられる恐れがあるとされた。
- 2020年:欧州でTP-Linkの一部製品がセキュリティ基準を満たしていないとして警告対象に。
- 日本の掲示板などでも「管理画面にアクセスできなくなった」「突然ネットがつながらなくなった」といった声が見受けられます。
もちろん、これらは全体の一部ではありますが、信頼性に疑問を抱かせるには十分な事例とも言えるでしょう。
TP-Linkは危険⚠️⚡️
今すぐ他社に乗り換えよう‼️TP-Link案件は今回が初めてじゃないからマジで乗り換え推奨。https://t.co/suTzZ45iSS
— しばもん@ラー活Enjoy勢🍜 (@monsivamon) August 5, 2025
また、2025年にも脆弱性が発見され、こういった事例が度々あるのも気になるところです。
TP-Linkを使うなら注意すべきポイント
それでも「コスパ重視でTP-Linkを選びたい」という方は、以下の点に十分注意しましょう。
- 必ず初期設定で管理画面のパスワードを変更する
- ファームウェアは定期的に確認し、アップデートを欠かさない
- リモート管理機能は不要なら無効にする
- 最新の暗号化方式(WPA3など)に対応した機種を選ぶ
また、できれば日本国内のサポート体制がしっかりしている製品を選ぶほうが安心です。
安全性・信頼性を重視するなら他メーカーも検討を

TP-Linkの価格は魅力的ですが、安全性や安定性を重視するなら、以下のようなメーカー製品も検討に値します。
- NEC(Aterm):日本国内メーカーで信頼性が高く、ISPとの相性も良好
- BUFFALO(バッファロー):国内サポートが手厚く、設定も分かりやすい
- ASUS:高機能でセキュリティ意識も高い設計。ゲーミング向けルーターも豊富
価格はやや高くなる傾向にありますが、長期的な安心感やサポートを考えると、むしろコストパフォーマンスは高いとも言えます。エントリーモデルを選べば低価格のものも選べるので、そちらをチェックしてみるのがおすすめですね。

まとめ:TP-Linkは“安さ優先”の選択肢、信頼性には注意が必要
TP-Linkのルーターは、価格の安さやラインナップの豊富さから人気がありますが、安全性やセキュリティの観点からは慎重になるべき製品でもあります。
もちろん、すべてのTP-Link製品が危険というわけではありませんが、初心者がトラブルに遭遇するリスクや、中国企業特有の情報保護の懸念などを総合的に考えると、他のメーカーを検討するのもひとつの選択肢です。
「とにかく安く済ませたい」という方であっても、使い方次第では大きなリスクになりかねないため、最低限のセキュリティ対策を施した上で利用するようにしましょう。